2008年06月05日

「電子投票法案」について自治体報告  6月4日(水)

  電子投票法案を巡って厳しい状況が続いていますが、昨日は地方自治体の声として「電子投票促進協議会」代表の石垣正夫氏(岡山県新見市長)の話を記者会見の形で聞きました。氏は電子投票制度を地方選挙ばかりでなく国政選挙に応用しようとする要望を5,6年に亘って続けてこられた先駆的な地方代表で、前の日も国会内を与野党隈なく陳情に歩かれましたのでその苦労話も含めて今会期としては「最後の訴え」をされました。私も国会の側にあってそのお世話役を事実上引き受けており、自分の責任でこの場を設営したもので、市長と記者とのやり取りに加えて私及び同席の村田代議士(自民党選挙制度調査会長)とのやりとりも活発に行なわれました。本法案は昨年12月、衆議院採決のあと参議院で継続審議扱いとなり、その後与野党修正協議も決着し、自民党参議院内の説明の段階で今状況は厳しく滞っており、なかなか打開の目処が立たない状況にあります。制度の「変革」には常に痛みや不安が伴うものです。とりわけ新しい議員になられた人々は過去の経緯は知らないわけでそれだけに真剣かつ丁寧な説明と説得が必要なのですが、正直今では「万策尽きた」という感もないではありません。しかし地方自治体の首長さんたちのあの痛々しいご苦労とご努力を知るにつけ国会の側としてはせめてこれらの人々を身を張って守る、そのために最後の努力をするということは当然のことで、今日の記者会見が少しでも事態の好転に役立てばという天に祈るような思いです。電子投票制度には将来に亘って多くの長所があり、また国際的にも大きな流れとなって、今や6,70カ国が採用し、あの(8年前、ブッシュとゴアが投票用紙をめぐって大騒ぎした)アメリカでも今回の大統領選挙ではほぼ100%電子投票で行なわれるところまできています。政治は論理だけでは動きません、選挙制度となれば議員の生死に関わるだけに一層深刻です。その中でどう新しい時代を拓いていくか、これがまた生身の政治家に与えられた辛い仕事です。
 (日記 4月25日 及び下記「電子投票制度とは」を参照下さい)

                                          資料
             電子投票制度とは

  1.   正式には「電磁的記録式投票制度」と呼び、画面(タッチパネル)上に掲示された候補者の名前をタッチし「確認」することで投票が記録される方式。基本的には鉄道駅の自動販売機で行き先を押して切符を出す、銀行のATM機で現金の出入を行なうことと同じです。


  2. 投票のやり方は難しくないか、有権者の理解は得られるか。
      導入時にはその懸念もありましたが、地方選挙での実施例、多くの社会調査で高齢者を含め7,80%以上の方から積極的評価を得ています。もちろん新しい制度の導入ですから候補者、有権者にはもちろん社会一般への説明も丁寧に行なわれなければなりません。


  3.   この法案は、今まで地方選挙にだけ行われていた電子投票方式を国政選挙にも拡げるというものです。


  4. 導入の目的は何か。
      この法案の目指すところは、開票事務の迅速化、あいまい投票の防止、有権者の利便の向上、長期的に見ると行政経費の節約などで、これは政府のe-japan計画にも沿い、またすでに世界では多数の国で電子投票が実施されているという国際的潮流にも沿ったものと考えられます。超党派の推進議員連盟も活動しており、また自民党、民主党など各党がその実現を政策目標としてマニフェストなどに掲げています。


  5. どこから始めるのか。
      全国一律とはいきません。すでに地方選挙で、10自治体が17回指定実施しています。これら先進自治体を中心に一定の要件のもと申し出に基づき総務省が指定した自治体(選挙管理委員会)から行なうことになります。制度の普及に従い徐々にその実施数が増えることが期待されます。


  6. 機器の安全性、信頼性は大丈夫か。
      選挙の投票という民主主義の根幹ですから絶対に失敗は許されません。総務省において厳しい技術基準、運営管理基準が定められることとされており、また「電磁的記録式」である以上ウィルスの侵入、外部電波の侵害などを排除するための措置、オンラインには一切しないなどの措置がとられています。機器、技術の信頼性の向上にはあらゆる努力が必要です。


  7. 投票所の管理運営は大丈夫か
      新しい制度ですから細心の準備と運営が必要です。電子投票に対する一般社会への周知徹底、投票所での投票者への補助体制なども必要となります。また投票後の投票記録の管理など情報管理も特に慎重に行なわれます。


  8. 機器の導入、入札や調達は公正に行われるか。
      全ての公共調達に共通することですが、選挙管理という特に重大な分野ですから総務省の指導基準に基づき、地域の選挙管理委員会が慎重かつ公正に行うことになっています。


  9. 「参議院比例制」には対応できるのか。
      参議院比例制には130~150人くらいの候補者が予想され画面一覧は事実上困難です。そのため政党名や「あいうえお」順など候補者名に到るまでの導入手順に工夫が必要です。法案では最終的に「政令」で規定すると決め、次の参議院選挙までに政党間協議に委ねられています。


  10. 法案審議が「拙速」ではないか。
      選挙制度は民主主義の根幹に当たるもので徹底した審議が必要です。拙速は厳に慎まなければなりませんが、本件においては地方選挙に実施されて6年、国政議論が始まって3年、かなり徹底した議論を行い政党内外の手続きも踏んできました。しかし全く新しい制度の導入ですからその理解を得るためにはいつの時点でも丁寧かつ徹底した説明が必要です。



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